引越し業者に作業を依頼するときに、なにかと不安に思うことはたくさんあります。
『社員の人が来るの?アルバイトの人が来るの?』
『社員とアルバイトで作業品質は違うの?』
『どんな作業員がいる業者を選べばいいの?』
など、
引越し作業を行ってくれる作業員が一体どんな人なのか?という不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
未熟な作業員が雑な作業を行ったために、新居や旧居の壁や床にキズを付けられてしまったり、大切な家具や思い出のモノを壊されたりしまったりするのは避けたいものです。
また、プライベート空間でもある自宅に他人を招くため、怪しい変な人に来られては困ります。
そこで今回は、そんな多くの不安を抱える方に向けて、
引越し業界の作業員についての現実をお伝えし、引越し業者を選ぶ際のポイントを解説します。
makotoと申します。
現在、某大手引越し会社に勤めるサラリーマンです。
引越し業界のリアルな情報をお届けし、
「サイコーの新生活」
をスタートしてもらうための活動をしています。
引越しのアルバイトはどんな仕事?
引越しの作業員を知るにあたって、まずは引越しのアルバイトがどんな感じなのかを見ていきましょう。
引越し作業は、旧居の家から荷物を運び出してトラックへ積み込み、新居ではトラックから荷物を降ろして搬入していきます。
作業員は重たい荷物を持ちながら朝から夕方までずっと動きっぱなし、、、っというキツイ重労働のイメージを持つ人が多いと思います。
各引越し業者によって多少の違いはあるかもしれませんが、当サイト管理人の実体験に基づき引越しのアルバイトについて解説します。
運動・体育会系のアルバイト
引越しのアルバイトは、
荷物を持ちながら建物を上がったり下がったりする運動・体育会系のお仕事内容です。
ゆっくりと歩きながら荷物を運搬することは許されず、常に軽快に動きながら、時にはダッシュも交えて荷物の運搬を行わなければなりません。
働いている人たちもいわゆる体育会系のノリの人たちが多く、先輩後輩の上下関係など厳しくも古き良き時代の名残を残す方々も多くいます。
未経験でも出来る
引越しのアルバイトは未経験者でも出来ます。
アルバイト未経験者は、まずは「横持ち」と言われるポジションにつきます。
「横持ち」とは、部屋で荷物を梱包する作業員と、荷物をトラックに積み込む作業員との間のポジションであり、部屋とトラックの間をただひたすら運び続ける作業を行います。
いきなり重たいタンスや冷蔵庫を運んだり、難しいベッドの運搬を行ったりすることはありませんが、初心者でも先輩とペアで運搬していきます。
何度かアルバイトに出勤して運搬に慣れてくると、先輩の指導のもと少しずつ難易度のある荷物にもチャレンジしていくことになります。
女性でも大丈夫
引越しのアルバイトは、ただ運搬する仕事だけではなく「荷造り・荷ほどき」などの梱包開梱の作業もあります。
運搬をメインにする女性スタッフもいますが、キメ細やかで丁寧な作業を要する「荷造り・荷ほどき」は多くの女性スタッフが活躍しています。
業界大手の「アート引越センター」や「SGムービング」は、女性のみで編成されたチームで引越し作業行う女性専門のサービスも用意されています。
引越し業界は益々女性の活躍の場が広がっている業界の一つでもあります。
時給は高くて稼ぎやすい
引越しのアルバイトは荷物を持ちながら丁寧な作業で運搬をしなければならない重労働です。
そのため、
どの引越し業者も時給が高く設定されており、日払いの業者も多く、日当で10,000円以上を稼ぐことができることも少なくありません。
未経験でも初めから手っ取り早く稼げることから、高校生からフリーターに人気があります。
仕事に慣れない内は普段使わない筋肉を使うために疲労は多いですが、勤務中の時間が経つのも早く、コツさえ掴めば思ったより楽で稼ぎやすいアルバイトでもあります。
社員とアルバイトの違い
引越しのアルバイトスタッフがどんな感じで働いている人なのかがわかりましたが、正社員として働いている人とはどんな違いがあるのでしょうか?
作業員の雇用形態が違うことで、利用者にとってのメリットやデメリットなどもあるのでしょうか?
作業レベルに肩書きは関係ない
利用者にとって最も気になるところは、引越し作業員の方がしっかりと丁寧に作業をしてくれるのかどうかということ。
その作業を行うにあたり、社員とアルバイトに作業レベルに違いがあるのでしょうか?
実は、
社員・アルバイトの肩書きは、作業レベルに関係はあまりありません。
正社員だから早くて丁寧で、アルバイトだから遅くて雑であるということは一概には言えないのです。
例えば、「3か月前に入社した社員」と「10年間学んできたアルバイト」ではどちらの方がしっかりと早くて丁寧な作業をしてくれるでしょうか?
おそらく、10年間のキャリアのあるアルバイトスタッフの方が作業レベルが高いと思われます。
つまり、社員・アルバイトの肩書きは、作業レベルに関係はありません。
仕事に対する意識(責任)は違う
肩書きは関係なくても、やはり
正社員とアルバイトでは、日々の仕事に対する意識(責任)に違いがあります。
意識レベルの高いアルバイトスタッフも存在するのは確かですが、正社員のスタッフが持つ責任の重さが、利用者への対応や取り扱う家具に至っても「丁寧に扱う気持ち」が発言と行動に表れてくるものです。
また、業者にもよりますが、正社員は社内において研修や教育を定期的に行われています。
仕事に取り組む姿勢や専門的な技術にも、レベルの違いが出てくる可能性もあります。
「社員のみ」で行う引越し業者は無い
では、やはり「社員のみ」で引越し作業を行ってもらう方が良いと感じてしまいます。
しかし、実は
「社員のみ」で引越し作業を行っている業者はほとんど無いのです。
世の中のほとんどの引越し作業は社員とアルバイトスタッフの組み合わせで行われているのが現状です。
引越しはチームプレー
引越し作業は一人で作ることは基本的には出来ません。
いくら筋肉ムキムキの力持ちのスタッフがいたとしても、冷蔵庫やタンスを一人で持ち上げて運搬することは不可能です。
引越しは
チームワークが全てと言っても過言ではないほど、複数人で行うチームプレー作業なのです。
荷物を梱包する人→荷物を受け流す人→荷物を積み込む人といったように、作業の流れの中で役割を分担して作り上げるのが引越しというものです。
「社員のみ」をウリにしている業者に注意
もし、
『わが社は正社員のみで作業します!』ということをセールストークとして公言している業者があれば、
虚偽の発言かセールスのオーバートークをしている可能性が高いため注意が必要です。
年間を通して、社員のみで引越し作業を受け続ける業者は、たちまち固定費倒れで経営として成り立たないと言われています。
単発的に社員のみでチーム編成することをセールスしている場合があるかもしれませんが、継続的には不可能です。
そのようなことをウリにしてセールスする引越し業者は、あまり信用に値しないと言えるでしょう。
4番バッターばかりで編成されたチームが、自分の家の引越しにだけ来てくれる、、、みたいなことは無いのです。
作業員を見極めて引越し業者を選ぶ
では、どのようにして引越し作業員を見極めれば良いのでしょうか?
誠実で適切な作業スタッフを手配してくれる引越し業者を選ぶには、どうすれば良いのでしょうか?
それには、引越しというものをもう少しだけ深堀りして理解し、自分自身で決めることが大切なのです。
「人」が作るモノ
引越しサービスという商品は、
モノを運ぶという作業自体が商品であり、「人」が作り上げる無形商材です。
形のある商品は見たり触ったりして選ぶことができますが、引越しは作業当日まで分かりません。
となれば、やはり見るべきポイントは「人」なのです。
電話応対の受付の人や、見積りを担当する営業マンを見ると、その引越し業者の利用者や仕事に対する考え方やレベルが見えてくるものです。
雑な電話応対や不親切な営業をする業者は、引越し当日の作業も雑で不親切の可能性が高いと言えます。
「人」が作るモノは「人」の性分が表れるモノです。
当たりハズレがある
人間が行うことに絶対はありません。
引越しは「人」が作るモノということは、どうしても当たりハズレはあるものです。
利用者との相性もありますが、たまたま作業レベルが低いスタッフが来てしまうということもあり得ます。
しかし、誠実な業者であれば、ベテラン、中堅、若手といった経験値や作業レベルを持ったチーム編成を行います。
自社の引越し作業のそれぞれのサービスレベルや品質の均一化を図り、どの利用者にとっても同じようなサービスが提供できるように努めているのです。
当たりハズレがある引越し業界の中でも、そうしたことで差別化を持っている業者はあるのです。
決断は「心」に聞いてみる
これらのことを踏まえ、最後は
自分自身の「心」に聞いてみましょう。
引越しは「人」が行う形の無い商品です。
引越し業者のスタッフが社員であれアルバイトであれ、その人が持っている「心」が引越し作業という商品になるのです。
引越し業者を決める際に、見積り金額からの予算や各種サービスの条件などの比較もありますが、決断は「心」に聞いてみることが大切ではないでしょうか。
まとめ
今回は、引越し業界の作業員についての現実をお伝えし、引越し業者を選ぶ際のポイントを解説しました。
引越しのアルバイトは未経験や女性でも始めることができ、体育会系の職場で稼ぎやすい仕事です。
そんなアルバイトスタッフと正社員の作業員との違いは、肩書きによって作業レベルに違いが出ることは少ないです。
しかし、アルバイトに比べ正社員は仕事に対する意識や責任感を高く持ち、利用者にとって良いサービスが提供されることが多いでしょう。
ただ、正社員のみで編成されたチームが来てくれることはほぼありません。
正社員とアルバイトのチームワークを意識し、サービスの均一を図る誠実な業者を見極めることが大切です。
引越しは「人」が作る形の無い商品です。
価格や条件も大切ですが、形が無い商品であるがゆえに、
「人の心」を見極めて業者を選ぶことが大切なのです。
引越し利用者の「心」と引越し業者の「心」が絆で繋がったときに、もっとも良い引越しが作られるものです。
サイコーの新生活に向けて、これらを参考に「心の中」に決断を委ねてみるのはいかがでしょうか?