天気予報で引越しの予定日に雨の予報や台風が直撃するなどの状況の場合、引越し業者はどうするのでしょうか?
作業を決行するのでしょうか?
こちらから日程の変更を申し出た方が良いのでしょうか?
直前で延期するとキャンセル料金が発生してしまうのでしょうか?
今回は、
引越し予定日が大雨・大雪や台風の場合にどうなるのかを解説します。
makotoと申します。
現在、某大手引越し会社に勤めるサラリーマンです。
引越し業界のリアルな情報をお届けし、
「サイコーの新生活」
をスタートしてもらうための活動をしています。
日程変更は災害相当でない限りは無い?

引越し日程の変更は、天候が災害相当レベルでない限り、引越し業者から申し出ることはありません。
悪天候によって引越し作業に支障が出ることは予測が出来るのに、引越し業者から日程の変更などの連絡や提案はほとんど無いのです。
引越し業者から申し出が無い理由は、
赤字になってしまうから、、、なのです。
引越し業者は手配していた人員やトラックに関連する費用の損失が大きく、
キャンセルや日延べになることで赤字になってしまうことが分かっているのです。
また、
関連する業者のスケジュールなどへの影響が甚大な場合が多々あります。
引越しをするときは、「旧居の退去立ち合い」「電気工事業者・処分業者との打ち合わせ」「電気水道ガスの停止の立ち合い」など多くの業者が関連しています。
これら多くの業者のスケジュールも合わせて変更になるため、引越し業者は責任を問われることを避けるために申し出をしないのです。
あくまで
日程の延期などを決めるのは依頼主側であるということもあり、酷い悪天候や台風であっても引越し業者から申し出ることはほぼありません。
しかし、中には積極的に利用者へ日程変更を含む対応策を提案してくれる業者もあります。
判断に困る場合は
状況に合わせて引越し業者へ相談をすることが良いでしょう。
日程変更はキャンセル料金が発生するのか?

国土交通省告示「標準引越運送約款」ではキャンセル料金について、以下のように定められています。
(解約手数料又は延期手数料等)
第二十一条 当店が、解約手数料又は延期手数料を請求する場合は、その解約又は受取日の延期の原因が荷送人の責任によるものであって、解約又は受取日の延期の指図が見積書に記載した受取日の前々日、前日又は当日に行われたときに限ります。ただし、第三条第七項の規定による確認を行わなかった場合には、解約手数料又は延期手数料を請求しません。
2 前項の解約手数料又は延期手数料の額は、次の各号のとおりとします。
一 見積書に記載した受取日の前々日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積運賃等(料金にあっては、積込み、取卸し、搬出、搬入、荷造り及び開梱に要するものに限る。次号及び第三号において同じ。)の二十パーセント以内
二 見積書に記載した受取日の前日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積運賃等の三十パーセント以内
三 見積書に記載した受取日の当日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積運賃等の五十パーセント以内
3 解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、当店が既に実施し、又は着手した附帯サービスに要した費用(見積書に明記したものに限る。)を収受します。
(参考:国土交通省告示「標準引越運送約款」)
- 引越し日の3日前までなら
キャンセル・延期の料金は発生しない - 引越し日の当日のキャンセル・延期は
「基本料金の50%分」+「サービス実費分」のキャンセル料金が発生する - 引越し日の前日のキャンセル・延期は
「基本料金の30%分」+「サービス実費分」のキャンセル料金が発生する - 引越し日前々日のキャンセル・延期は
「基本料金の20%分」+「サービス実費分」のキャンセル料金が発生する - キャンセル・解約の原因が
荷送人(利用者)の責任による場合はキャンセル料金が発生する
つまり、
引越し日の3日前までならキャンセル・延期の料金は発生しないということ
そして、2日前からはキャンセル料金は発生するが、
酷い悪天候や台風などは利用者の責任によるものではないため、キャンセル料金は発生しないということ
警報などが出ている状況でキャンセルや延期を申し出ること一般的な常識と言えます。
ただし、警報などもない強めの風雨などでは、引越し業者は通常の運行作業を実施することが多いです。
そのため、
早めに引越し業者に連絡して今後の流れの打ち合わせを行うことが望ましいです。
※警報が出ていたり台風が上陸している状況においても、万が一キャンセル料金を請求してくる引越し業者があるとすれば、もしかすると悪徳業者の可能性もあるため注意が必要です。
引越し業者のホンネは?

引越し業者の気持ちとしても、
悪天候や台風の中で引越しはやりたくないのがホンネです。
風雨の中で荷物を濡らさずに運ぶことは不可能であり、作業中の転倒など怪我の可能性も高まります。
荷物が吹き飛んでしまったり、滑って落下させてしまうことで破損を出す可能性も高くなります。
安全に作業を完了させることが宿命である作業スタッフからすると、引越し作業が延期になって欲しいのがホンネの気持ちです。
まとめ

利用者や引越し業者にとっても、悪天候や台風の中での引越しは何一つメリットがありません。
引越しの日程を延期やキャンセルにする判断は、予定していたスケジュールが崩れてしまうため苦しく難しいものです。
警報が出ていたり災害に近い状況であればキャンセル料金が発生することはありませんので、何を優先するべきかを考慮して決断しましょう。
まずは、予定している引越し当日が晴れの日となることを祈りましょう。